Final Cut Pro Xを使用して動画編集を行う方は多いのではないかと思います。どんな編集でも基本的には音楽や効果音(BGM)は挿入します。また、音量・音質調整は意外と知られていない便利な方法があります。
今回の記事では、 初心者の方向けにFinal Cut Pro Xを使用しての音楽・効果音挿入から音量・音質調整の方法をまとめました。
この記事を読む事で、基本的な挿入方法から調整方法は身につくので参考にしてみてください。
音楽・効果音(BGM)挿入方法
2通り方法があります。
1.ミュージック経由の方法
2.ライブラリを入れたフォルダに音楽を入れておく方法
1.の方法
音楽・効果音はMacBookに元々入っているミュージックに入れておく事で、タップしたところに音楽・効果音が開いたら自動的に入っています。
下記の方法で音楽・効果音を挿入する事が可能
①をタップ
②ミュージックをタップ
③挿入したい音楽・効果音を選択しドラッグする事で挿入可能
2.の方法
①ムービーの中にフォルダを作成
②フォルダの中に音楽・効果音を入れる
③ Final Cut Pro Xの操作画面から右クリックにてメディアを読み込むを選択
④作成したフォルダを選択し選択した項目を読み込むを選択する事で音楽が挿入される
音量調整の方法
音量メーターを出す
丸く囲んだところをタップ
丸く囲んだところをタップすると、オーディオメーターが右下に表示される。
ラウドネスをONにする
ラウドネスとは:人が耳で感じる音の強さと大きさの事。人の耳で聴きやすい周波数と聴き難い周波数がある。
ラウドネスを調整する事で人の耳で聴きやすい周波数に調整することができる。
ノイズ除去をONにする→ノイズ除去の量は最初は50%ですが10〜30%ぐらいがベスト
ノイズが少なかったら、ノイズ除去をONにする必要はない。
ノイズが気になる際はかけるようにしましょう。
音量調整方法
音量調整をする際は実際に流れる音のパラメーターをみて調整する
音量の目安
・音楽:-7〜-3ぐらい
・効果音:-7〜-3ぐらい
0を超えると音割れするので超えないようにする。
上記画像では音割れをしているので、0以下になるように調整していく。
2種類の方法がある
①ボリューム調整のところのdBを左右に持っていき調整する方法
②音楽のところを直接上下に調整する方法
部分的に調整したい場合
まずは調整したいところでoption+クリックを押しキーフレームを打つ
大体4つぐらいキーフレームをうち、部分的に上げたり下げたり調整していく
キーフレームは左右にドラッグする事で移動させ調整することができる
フェードイン・アウトのやり方
フェードイン・アウトを使用する事で、違和感なく音が始まります。
フェードイン・アウトの方法を下記に解説しております。
フェードインする場合は下記画像の丸のところに合わせると
<> オーディオをフェードインと出てくる。
ここを右にドラッグすることでフェードインが可能
フェードのタイプは4種類ある。右クリックする事で下記4種類のフェードが出る。
線形状:一定の割合でフェード
+3dB:急激にフェード
-3dB:徐々にフェードし次第に急激にフェードする
S字カーブ:滑らかにフェードする
キーフレームを打ち、自分の好きな感じにフェードイン・アウトしていく
コンプレッサーエフェクトでの音量調整方法
音量調整をする際に便利なエフェクトがあります。
それはコンプレッサーエフェクトです。
コンプレッサーとは:音の強弱の差を狭めて音圧を上げる役割を持つもの
音圧が上がると音がはっきりと聴こえるようになる。
コンプレッサーを使用する場面
曲全体、ナレーション等の音量にばらつきがあるところ
コンプレッサーをなぜ使用するか?
音声の音量のムラをなくし全体のボリュームを上げ、聴き取りやすい音にする為。
コンプレッサーの挿入方法
①エフェクト→②レベル→③Compressor
詳細エフェクトエディタUIを標準をタップ
それぞれのパラメーターの役割
INPUT GAIN:元の音をコンプレッサーに入れたときにどれぐらい大きくするかの設定
-6~-9ぐらいに調整するのがベスト
THRESHOLD(しきい値):入力した音が設定した値を超えたとこからコンプレッサーがかかる値
平均音量より-4~6dB下に調整
-6dBに設定すると-6dBを超えた音にコンプレッサーがかかるということ。
例えば、平均音量が-6だとすると、-4下に調整し、THRESHOLDは-10に設定する
THRESHOLDの値を低くするとコンプレッサーが深くかかる。
値を0dBに近づければ近付けるほどコンプレッサーは浅くかかる。
RATIO:しきいちを超えた音に対して音量を何分の1にするのかという値
2~3ぐらいがベスト
入力した音が3であれば1にして出すということ
この値が大きくなると圧縮度は高くなる。
MAKE UP:音量調整するパラメーター
圧縮によって下がった音量を上げてくれる効果。
Auto 0dB でOK
Auto 0dB:自動的に出力を0dBに調整してくれるという事
KNEE:圧縮を急にかけるか緩やかにかけるのかの値
0にしたら急にかかるので1ぐらいが良い
ATTACK:コンプレッサーがかかるまでの時間。
1~5msぐらいがベスト
この値が大きくなると音の立ち上がりは圧縮されない。
つまり、元の音の感じを残せるという事。
RELEASE:THRESHOLDで設定した音より下の値になった時に、元の音まで戻るまでの時間の設定
80~150msがベスト
ATTACKと逆の効果。コンプレッサーの効果が解除されるまでの時間を決めるもの。
値が大きいとコンプレッサーの効果が長く続くということ。
LIMITER:音割れする際に音割れしないように自動的に音量を下げてくれる役割。
-2とかに設定しておくと-2以上にならないようにしてくれる。
LIMITERのランプが赤く光った際は制御してくれて音割れをしなくしてくれている状態。
完成したらプリセットを保存しておく
何回も設定するのは手間なので、一回設定したらプリセットとして保存しておくのがお勧め。
イコライジング(EQ)を使用し音質を上げる方法
イコライジング(EQ)とは:音質を改善するという事
聴き取りやすい音を作る為に最適なエフェクト
イコライジングの入れ方
2種類ある。
①エフェクト→channel EQ→挿入→Manila Chill by Tape1
②イコライゼーション→○で囲まれているとこをクリック→グラフィックイコライザ
グラフィックイコライザーのプリセット解説
フラット:設定なし
ボイスエンハンス:声を強調する
ミュージック強調:音楽を強調する
ラウドネス:全体音量を上げる
ハムリダクション:電圧の高い機器等のノイズ調整
低減増強:低域を聞き取りやすく
低減軽減:低域を聞き取りにくく
高域増強:高域を聞き取りやすく
高域軽減:高域を聞き取りにくく
プリセットとして元々備わっているので簡単に自分好みに調整可能です。
上記詳細に当てはめて自分好みに調整していきましょう。
Channel EQ
縦軸:ボリューム(音量)
横軸:ヘルツ(周波数)
周波数毎にボリュームを調整できる。
デフォルトには定形値が入っている。
Vlogやナレーション等の声音質を上げたい場面では、speaking Voice Improve かVoice-Over EQ がお勧めです。
speaking Voice Improve:100Hz以下の低音域をカットしノイズを軽減し高音域の音質を上げる。
Voice-Over EQ:マイクに直接音源を入れていく際には音質が改善されるが、低音域とかのノイズは消しにくいという面がある
人間の耳で聞き取ることが可能な周波数:20Hzから2万Hz(20kHz)
人の声の周波数:125Hz~1500Hz
80~100Hzぐらいから下をカットする事でノイズをカットし、話声の周波数を確保する事が出来る。
人によって、また女性・男性によっても周波数は変わってくるので、その音声に合わせて調整は絶対に必要です。
Analyzer:押すと実際の音声が波形をして出てくる。イコライザーで設定した波形と比較し調整していく
30Hz以下はカット。ノイズはなるべくカットしていく。
人の声を聞き取りやすくするには1000Hz付近を調整していく
1000Hz付近のdB(音量)を上げると声の音が聞き取りやすくなる。
設定終了したらこちらもプリセット保存をしておきましょう。
何度も最初から設定し直すのは効率が悪いですからね。
色々な状況に合わせたプリセットを作成しておくのがいいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?映像作品の音という部分は軽視されがちですが、どんな映画や映像でもかなり音は作り込まれています。
自分が作る映像作品もより良いものを作っていくためには、今回記事にしたようにしっかり音作りをしていく事が大事です。
画像を交えて説明しているので参考になったかと思います。もし不明な点等ありましたら、お問い合わせからご連絡していただけたらと思います。
最後に音の確認ですが、イヤホンありとなしの状態で聞き比べて調整する事がいいです。なぜなら、イヤホンで聞く人もいれば、イヤホン無しで聞く人もいますので、どちらの方に対してもいい音で聞いてもらえるようにする事が大事だからです。
それでは、最後にこれまで記載した内容を振り返り終了とします。
音楽・効果音(BGM)挿入方法は2種類:
1.ミュージック経由の方法
2.ライブラリを入れたフォルダに音楽を入れておく方法
音量調整方法:
①ボリューム調整のところのdBを左右に持っていき調整する方法
②音楽のところを直接上下に調整する方法
音声の音量のムラをなくし全体のボリュームを上げ、聴き取りやすい音にする際に便利なエフェクト:コンプレッサー
音質を改善したい際のエフェクト:イコライジング(EQ)
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