カメラを始めたばかりの頃によく撮影するのが桜等の風景やポートレート撮影等をよく行うと思います。
いいカメラを買って撮影したらいい写真・映像が撮れると思うと思いますが、意外と思ってた写真や映像が撮れないという事も多いです。
もちろん、いいカメラにすると画質が上がったりカラーが綺麗にうつったりはすると思いますが、他のポイントが結構あるので、そのポイントを抑える必要があります。
今回は動画撮影時のカメラで桜を綺麗に撮る際のポイントを解説していきます。カメラ設定・撮影方法で分けて解説しております。動画撮影と記載はしておりますが、写真撮影でもかなり重なる部分は多いので、写真メインの方にも参考になると思います。
少しでも参考になれば幸いです。
カメラで桜を綺麗に撮りたい際のポイント | カメラ設定編
カメラで桜を綺麗に撮りたい際のポイント | カメラ設定編
・Log撮影またはHLG(HDR)撮影でカラー調整の幅を広くする
・露出は適正露出より少しだけ高くする
・フレームレートを60fps以上で記録する
まずはカメラの設定を解説していきます。カメラの設定はデフォルトでもいいですが、出来れば上記3点での設定を行った方が綺麗に桜を撮る事ができるので、おすすめです。
Log撮影またはHLG(HDR)撮影でカラー調整の幅を広くする
高性能なミラーレスカメラにはLog撮影ができるようになっております。
Log撮影とは:通常の撮影よりダイナミックレンジが広く白飛びや黒潰れを防ぎ、カラー調整の幅を広く記録する撮影方式
つまり、Log撮影というのはカラー調整時の幅がかなり広くなるという事です。
その為、Log撮影で記録した方が後々の編集で桜の色をめちゃめちゃ綺麗に記録することができるようになります。
Log撮影は撮影時に気をつけることも多く撮影難易度が高くなる
SONYのLogはSlogになるのですが、Slog撮影は難しいです。基本的に適正露出(Slogは露出+2)に合わせて撮影していかないといけません。
露出のミスでノイズだらけの映像になってしまうという事は多いです。
個人的には最初はHLG等のHDR撮影がおすすめです。露出も適正に合わせたらいいですし、撮って出しでもかなり綺麗な映像となります。
ダイナミックレンジも普通の撮影に比べて広いので、Log撮影ほどではありませんが、編集でのカラー調整もかなり幅広くできます。
露出は適正露出より少しだけ高くする
この項目はLog撮影の際には当てはまりません。
Log撮影をする際には基本的に露出を+1.7〜+2.0に合わせる必要があります。
Log撮影以外の記録方式で撮影する際には露出を適正露出より少し高くするのをおすすめします。
+0.3〜0.5程度明るくすることで桜がかなり綺麗に映ります。しかし、この点はヒストグラムや実際のモニターで映像を確認しながら、綺麗に映っているように調整する方がいいので、あくまで参考程度にご自身でいい範囲に調整してくださいね。
また、HDR撮影等のダイナミックレンジが広い記録方式の場合は編集時にかなり調整ができるので、適正露出に合わせて撮影すれば大丈夫です。
少しぐらいなら露出を下げて撮ってしまっても後で編集で露出を戻すことはできます。
しかし、露出を低くしすぎると、その記録しているダイナミックレンジを超えた範囲になってしまった場合はノイズが出たり、色潰れが起きてしまったりするので、なるべく適正露出中心に収めるようにはしましょう。
フレームレートを60fps以上で記録する
フレームレートを60fps以上に記録する理由としては、スローモーション撮影が可能となるからです。
桜の映像をスローモーションで流すとかなり幻想的で綺麗な映像になるので、スローモーション撮影を取り入れることをおすすめします。
また、60fpsで記録したとしても、編集の際にスローモーションにするかしないかは決めれるので、特に初心者の頃はどこでスローモーションにするか中々わからないと思いますので、60fps以上で記録しておくといいでしょう。
60fps以上で記録をすると容量がその分重たくなるので、たくさん動画を撮る際には容量不足となってしまうかもしれません。
容量の大きいSDカードを使用していればいいかもしれませんが、もし持っていない場合は、ずっと60fps以上で記録するのも難しい人もいると思いますので、状況に応じてfpsを調整していく必要があります。
カメラで桜を綺麗に撮りたい際のポイント | 撮影方法編
カメラで桜を綺麗に撮りたい際のポイント | 撮影方法編
・構図と撮り方
・光
・ボケ感
次に、桜を綺麗に撮りたい際の撮影時のポイントを解説していきます。
ここからは実際に撮影する際に気を付ける3つのポイントがありますので、この点を抑えて桜撮影をするとかなり綺麗に記録することができるので、試してみてくださいね。
構図と撮り方
・構図
何を撮りたいか決める
構図に余計なものをいれない
寄り・引き等のバリュエーション豊富に撮影する
・撮り方
人が多い場所ではあおり撮影を取り入れる
桜をアップしている際は枝を入れ過ぎない
さまざまなアングルで撮影(ローアングル・ハイアングル・ミドルアングル等々)
・何を撮りたいか決める
構図を決める上でまずは何をメインに撮りたいかを決めていきましょう。
メインを桜にするのか被写体にするのかで撮影方法は変わってきます。
メインを桜にする場合は、桜が主役ですので、桜単体を撮ったり、また、桜とサブの何かと一緒に撮ったりします。
どこをメインにするかによって広角レンズで広く撮影した方がいいのか、望遠レンズや標準レンズでクローズアップで撮影したり、ポートレートで撮影したりした方がいいのか変わってきます。
例えばですが、
桜並木を撮影する際は望遠レンズで圧縮効果を得るとかなり印象的に綺麗な桜並木を収めることができます。
圧縮効果というのは、前景と後景を引き寄せてグッと近づけたような絵になる事をいいます。
人物を小さく映して桜全体を入れたい際は広角レンズがおすすめです。
標準レンズでも下がって撮影したら映すことは可能ですが、広角レンズほどのダイナミックな撮影は難しいです。
構図では桜単体でもいいですが、桜ともう一つ何か取り入れる事で印象的な絵になる事が多いです。
桜撮影のおすすめの構図としては額縁構図がかなりおすすめです。
額縁構図は、桜で額縁のように前ボケを入れてもう一つの被写体や背景をメインとして撮影する方法です。
あと、桜が奥に並んでいると綺麗に撮ることができますので、奥に並んだ桜があれば、ぜひ撮影しておきましょう。
・寄り・引き等のバリュエーション豊富に撮影する
次に、動画撮影時は同じ構図でずっと撮っていたら視聴者は飽きてしまいますので、出来れば、寄り・引きのバリュエーションを豊富に撮影しておくことをおすすめします。
最低3つのショットを心がけて撮影しましょう。今回は被写体がいるという事で話を進めていきます。
- 引きの構図:桜全体が入るように撮影し、被写体を小さく映す構図
- 標準の構図:桜を一部入れて被写体全体を映す構図
- 寄りの構図:バストショットで桜と被写体を映す構図
この3つの構図をたくさん撮っておく事で編集で繋げた際におしゃれに綺麗に映すことが可能となります。
他にもさまざまな構図を組み合わせた方がさらに良いものになりますので、この3つができたら、他の構図も組み合わせていってみて下さいね。
・構図に余計なものをいれない
構図内に人が多すぎたり、何かいらないものが映っていたりすると、メインであるところ以外の部分に目がいってしまいますので、できる限り、余計なものは入れないように心がけて撮影しましょう。
人気スポットですとどうしても人は映ってしまうかもしれません。そういった際は、人のいない時間帯で撮影をしたり、下からあおるように撮影をして人が映らないように撮影したりするのがおすすめです。
あとは、背景をぼかして撮影すると人は目立たなくなりますので、活用することをおすすめします。
あまりぼかし過ぎてどこで何を撮っているかわからなくなると面白みにかけますので、ぼかし過ぎにも注意しましょう。
また、写真であれば編集時にトリミングして余計な部分をカットしたりも可能ですので、写真撮影の際はトリミングも活用していきましょう。
次に撮り方を解説していきます。
・人が多い場所ではあおり撮影を取り入れる
構図に余計なものを入れたくない際にはあおり撮影を取り入れていきましょう。
あおり撮影は下から上に向かって撮影するローアングルの撮影方法です。
全部あおり撮影になると構図のバリュエーションが少なくなってしまい、面白くない映像になるので、時々入れるぐらいで撮影することをおすすめします。
・桜をアップしている際は枝を入れ過ぎない
桜をアップして寄りの映像を撮っている際に枝を入れ過ぎないようにしましょう。
桜を映えて撮影する際に枝が目立つと桜より枝に目がいってしまいます。
枝を全く入れない方がいいわけではなく、あくまでも桜が目立つように撮影するということを意識して撮影することをおすすめします。
・さまざまなアングルで撮影(ローアングル・ハイアングル・ミドルアングル等々)
先ほど、構図のところで3つの構図をで撮影した方がいいと言いましたが、その3つの構図+アングルもさまざまなアングルで撮影する事をおすすめします。
ここも簡単にですが3つに分けてますので、この3つを構図を見ながら適切なアングルを選んで取り入れて下さい。
例えば、
寄りの構図+ローアングル
引きの構図+ミドルアングル
等々、さまざまな組み合わせが可能ですので、たくさんのバリュエーションで撮影して、いい映像に組み立てていきましょう。
まずは、この構図とアングルを意識して固定撮影を中心に行い、慣れてきたら、パン・チルトや撮影時に映像を動かすということにも取り組んでいただけたら、より良い映像ができます。
しかし、まずは固定撮影を中心に綺麗な映像を撮っていくというのが一番大事ですので、しっかりと固定して撮影するのが始めの頃はいいでしょう。
光
桜の撮影に限らずですが、桜等の花を綺麗に映したい際には光は一番と言っていいほど大事なところになります。
まず一番気を付けるポイントは”光が当たってる桜を撮る”という点です。
光が当たっている事で桜の色味が綺麗に映りますので、まずは光に当たっている桜を撮るように心がけましょう。
そして、次は”光の種類を見極める”というポイントも大事です。
光も大きく分けると順光・サイド光・逆光があります。
簡単にですが、特徴を記載しておきますので、参考にしてみて下さい。
- 順光:青空を背景に桜の色をしっかり出したい際におすすめ
- サイド光:輪郭をクッキリと出したい際や影をしっかり残してカッコよく撮影したい際におすすめ
- 逆光:柔らかい光を使ったドラマチックな感じにしたい際におすすめ。桜の花単体で花を透かして撮りたい際やポートレート撮影時に向いております
木漏れ日も印象的な映像になりますので、木漏れ日を見つけたら撮影する事をおすすめします。
また、細かなところを言うと光にも硬い光や柔らかい光があります。
- 硬い光:日中の太陽が上にある夏の日差しや夕方の日差しはかなり硬い光となります
- 柔らかい光:朝の光や少し曇りで光がある際は柔らかい光となります
この点もどんな映像を撮りたいかによって光を選んで撮影をするのがベストですが、中々、光を選んで桜の撮影をすると言うのは至難の技ですので、その光の特徴を抑えて撮影をしていきましょう。
もし、影になっているところをどうしても撮りたい際は”陽が出る時間を事前に調べる”もしくは、”レフ板を使用して光をあてて撮影”をしましょう。
女性ポートレート撮影の際にかなりおすすめの方法がブラックミスト等のフィルターでグロー効果を出すとフワッとした光で撮影することができますので、もし桜撮影でポートレートを行なっていきたい方は一度取り入れてみてもらえたらと思います。
ボケ感
日中の動画撮影時にはNDフィルターを使用しましょう。
特にぼかした撮影をしたい方にとってはNDフィルターは必須です。
背景をぼかす為にはF値を下げて撮影しなくてはなりません。F値を下げて撮影するということは、光を多く取り込むという事ですので、光を取り込み過ぎて白飛びした映像となってしまいます。
そんな際に光の量を調整するのが、NDフィルターという訳です。
NDフィルターで調整することでF値を下げても適正露出に合わせることができます。
しかし、NDフィルターの数値が低すぎるとあまり調整することはできませんので、NDの値もある程度高いものを選択しておきましょう。
出来れば、動画撮影時は可変NDフィルターを購入することをおすすめします。
可変NDフィルターの選び方やおすすめNDフィルターを紹介した記事もありますので、気になる方はこちらをチェックしてみて下さい。
NDフィルターの選び方からおすすめ可変式NDフィルターを紹介【動画撮影】
桜の撮影では背景ボケでなく前ボケをいれる事もかなり綺麗に映す事ができる大事なポイントです。
また、前ボケで撮影する際はマニュアルフォーカスで撮影をしましょう。
オートフォーカスで撮影してしまうと、ピントが前ボケを出したい前に合ってしまうという場面が多いので、できる限りマニュアルで撮影するのをおすすめします。
最後にですが、背景のぼかしすぎには注意しましょう。
背景をぼかして撮影することは表現の一つとしていいですが、ぼかし過ぎて何が映っているかわからなかったりする映像が何個も並ぶとどこで撮っているかわからないですし、見る人は飽きてしまいます。
ぼかす頻度も考えたり、ぼかす量を少し背景がわかるぐらいにぼかしたりする事をおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は動画撮影時のカメラで桜を綺麗に撮る際のポイントを解説していきました。
写真撮影でも被る部分はかなり多かったと思いますので、写真メインの方にも参考になる内容となったかと思います。
かなり注意点やポイント等は多いですが、ここを抑えることでかなりクオリティに差が出ますので、意識して撮影してみましょう。
あと、桜を綺麗に映す為のポイントの編集編も解説していきます。DaVinci Resolveで解説していこうと思います。
DaVinci Resolve以外の編集ソフトを使用していても基本的なポイントは同じですので、どのソフトを使用していても参考になると思います。
ぜひチェックしてみて下さいね。